- ここではゴルフウェアを除き、ゴルフクラブ、ゴルフボール、その他のゴルフ用具、部品を取扱う。
- ゴルフの起源はa.今のセント・アンドルーズ(St.Andrews)ゴルフ場が約600年前にまだ天然の牧場であったころ、羊飼いの牧童たちが杖(つえ)で小石を飛ばして遊んだのが進化したというスコットランド発祥説 b.オランダ固有のヘット・コルヴェン(Het Kolven)という石だたみや氷上でおこなうホッケー風の球戯が14世紀ころに貿易関係のあった対岸のスコットランドにわたり、ゴルフに変わったというオランダ渡来説 c.紀元80年ごろ、ローマ帝国のユリウス・アグリコラ(Gnaeus Julius Agricola)将軍がスコットランドを征服したとき、そのころローマで行われていた羽毛をつめた革製のボールを木杖で打って転がすパガニカ(Paganica)という球戯が伝わり、それが3世紀にわたるローマ軍の長期占領中に土着し、ゴルフになったというパガニカ説の3説がある。しかしいずれも明確な根拠はないが、いずれもスコットランドが関係していたことは確かである。
- その後イギリスで貴族を中心にゴルフクラブが数多くでき、それがアメリカに飛び火し、アメリカで始めてのゴルフクラブが誕生したのは1887年であった。アメリカの選手がイギリスに遠征し、全英アマチュアオープン選手権では、1921年から1933年の13年間でただ1回を除いてはその選手権はすべてアメリカに奪いさられ、ゴルフの王座はアメリカに移った。イギリスの敗因は1915年から5年間、第一次世界大戦でゴルフ競技が中止されたこともあるが、同時にアメリカのプロがはげしい訓練で技術的にイギリスを追い越した事実も見逃せない。アメリカで始めてゴルフクラブができたのは1887年であった。
- 日本では、アメリカに送れることわずか14年の1901年にイギリスの茶商アーサー・グルーム(ARTHUR GROOM)が友人と神戸六甲山上に最初のゴルフコースをつくり、1903年に第1回日本アマチュア選手権競技が行われた。その後日本のゴルファーも増加し、関東方面にゴルフクラブも次々と設立された。第二次世界大戦後で下火になっていたゴルフも戦後予想外に早く復興し、全国にゴルフクラブが新設され、いまや数多くのゴルフ場ができ、最盛期は全土の10分の1の面積を占めるまでになった。子のように日本は英国につぐゴルフ国となった。
- 日本では過去3回(1957年、1971年、1990年頃)のゴルフブームがあり、現在は多くの人がゴルフを楽しむようになった。1991年に日本が不況に突入してからゴルフ用品の販売は著しく低下したが、1995年から再び増加している。日本のゴルフ人口は1,370万人ぐらいで1人のゴルファーは1年、回で平均11コース出てプレイしている。今では日本人の10人に1人はゴルフをし、月1回ぐらいコースに出てプレイしている。コースでの1回当たりの費用は平均1万7千円ぐらいで高価だが、ゴルフは今や国民のスポーツとして親しまれている。
- しかし、欧米などの先進国との違いは、a)最近、自分で押すゴルフカートも増えているがまだ世話をしてくれるキャディが多く存在すること。b)一人で車でゴルフ場に直行するのではなく、数人待ち合わせて一台の車でかけつける場合が多い。その際、待ち合わせ場所までは重いゴルフバッグをかついで電車やバスでやってくることになる。c)これも最近宅配便の発達で予めクラブセットを送付しておく人も増え、往復手ぶらで行けるようになってきている。この往復ゴルフ宅配便を利用する人が増えている。
- ゴルフクラブとボールの日本市場での輸入品のシェアは次の通りである。
|
1991 |
1993 |
1995 |
|
クラブ |
ボール |
クラブ |
ボール |
クラブ |
ボール |
| 国内生産 |
100,640 |
45,675 |
82,772 |
40,880 |
74,321 |
36,632 |
| 輸入品 |
26,126 |
5,313 |
26,774 |
7,042 |
29,769 |
6,815 |
| 輸入品シェア |
20.6% |
10.4% |
24.4% |
14.7% |
28.6% |
15.7% |
- 輸入品を品目別にみると
|
1993 |
1995 |
1997 |
| ゴルフクラブ(完成品) |
26,775 |
29,769 |
20,790 |
| ゴルフボール |
7,043 |
6,814 |
6,731 |
| その他のゴルフ用品 |
19,435 |
23,894 |
30,825 |
| 合計 |
53,253 |
60,477 |
73,721 |
- 輸入品を国・地域別にみると
a)ゴルフクラブ(完成品)
|
1993 |
1995 |
1997 |
| 米国 |
18,061 |
19,290 |
20,790 |
| 台湾 |
8,039 |
8,560 |
9,921 |
| 中国 |
282 |
1,686 |
5,193 |
| シンガポール |
160 |
133 |
115(133) |
| イギリス |
41 |
35 |
21 |
| その他 |
192 |
65 |
127 |
b)ゴルフボール
|
1993 |
1995 |
1997 |
| 米国 |
5,550 |
4,280 |
3,221 |
| マレーシア |
666 |
1,002 |
1,312 |
| 台湾 |
119 |
495 |
695 |
| 韓国 |
523 |
719 |
669 |
| 中国 |
4 |
27 |
480 |
| その他 |
181 |
291 |
354 |
| 合計 |
7,023 |
6,814 |
6,731 |
c)その他のゴルフ用具の1997年の輸入品の国・地域別は
| 台湾 |
15,996 |
| 中国 |
6,696 |
| タイ |
3,990 |
| 米国 |
3,405 |
| その他 |
738 |
| 合計 |
30,825 |
である。
※完成品のゴルフクラブは米国と台湾の独占状態だったが中国が追従していることが分かる。知名度が高くて歴史あるメーカー(Wilson, Spalding, McGregorなど)新興ブランドものが米国から多く輸入されている。台湾、中国からは日本のメーカーの進出でOEM生産して逆輸入されているケースが多い。
※ゴルフボールの対日輸入のトップは米国でマレーシア、台湾、韓国、がこれに続くが、中国も伸びて来ていて、台湾、韓国を追い越す日も近そうである。
※その他のゴルフ用具・部品では台湾が50%シェアを超えている。これは進出した台湾でシャフトやヘッドを製造し、それを持ち帰り、日本国内で完成品にするやり方が日本のゴルフクラブメーカーで広くなされているからである。タイでも同じことが行われている。中国からはバッグ、手袋などの輸入が多く、米国からも手袋、バッグが多いがヘッド、シャフトを輸入し日本人の体格にあったクラブを生産する日本の会社もある、また日本へ進出している米国メーカーがそうしている場合もある。ゴルフ用品は一般には輸入関税はゼロである。昔は物品税がかかったが今はなくなった。
- .一方、日本からの輸出は1997年で
| ゴルフクラブ(完成品) |
16,295 |
| ゴルフボール |
3,073 |
| その他ゴルフ用品 |
7,552 |
|
| 合計 |
26,920 |
国、地域別では
ゴルフクラブ(完成品)
| 韓国 |
5,030 |
| 台湾 |
2,848 |
| シンガポール |
2,467 |
| 米国 |
1,852 |
| 香港 |
1,543 |
| タイ |
1,126 |
| その他 |
1,429 |
|
| 合計 |
16,295 |
ゴルフボール
| 米国 |
1,218 |
| 韓国 |
488 |
| オーストラリア |
375 |
| シンガポール |
341 |
| 台湾 |
275 |
| イギリス |
128 |
| その他 |
248 |
|
| 合計 |
3,073 |
その他のゴルフ用品
| 米国 |
2,113 |
| タイ |
1,830 |
| 台湾 |
1,594 |
| 中国 |
1,253 |
| 香港 |
229 |
| 韓国 |
204 |
| イギリス |
175 |
| その他 |
154 |
|
| 合計 |
7,552 |
ゴルフクラブの完成品やゴルフボールは海外に駐在している日本人が買って使うケースが多いと考えられる。その他のゴルフ用品もバッグや手袋はその傾向にあるが、中にはへッドなどの半製品を日本から輸出し、向こうで研磨などの加工をし、完成品にするケースも考えられる。
数字出所:日本貿易月報 単位:100万円
- ゴルフクラブは飛距離を目的とするウッドクラブと方向と距離の正確さを目的とするアイアンクラブに分配される。構造的にはどちらもヘッド、シャフト、グリップよりなる。ウッドクラブは比重、反発、木目、加工性などの点からパーシモン材(柿材の一種)が適材とされてきたが、良質のパーシモン材が少なくなり、代替材料が求められていた。1982年にカーボンヘッドが開発され、定着したが最近はチタン合金のものに変わりつつある。
アイアンヘッドについても炭素樹脂強化プラスチック(CFRP)化が検討されたが、鉄とCFRPのハイブリッド構造とするためルールに抵触するか否かの判定がむずかしく、一時全面禁止となったがルール上の決着がついて1986年から使用できるようになったが現在はチタン合金に変わってきている。
チタン合金の加工は難しく、日本の技術の独壇場となっている。通常ウッド4本、アイアン9本とパター1本のマッチドセットが使われる。
- ゴルフボールも最初の羽毛をつめた皮製のフェザーボールから1898年にはゴム製糸巻きボールがアメリカ人ハスケル(C. Haskell)によって発明された。その後、糸巻き芯がなくなった2ピースボールが一般に使われている。ボールにはイギリス公式球(重さ1.62オンス、約46gより重くなく、直径1.62インチ(約4.1cm)より小さくないもの、いわゆるスモールボールと、アメリカ公式球(重さ1.62オンス約46gより重くなく、直径1.68インチ(約4.3cm)より小さくないもの、いわゆるラージ・サイズの2種が使われたが、最近はアメリカのラージボール一本に固まってきている。
- ゴルフ用品販売には特に法的規制はない。ゴルフボールはJISで販売されているがJIS規格はISO規格に準拠しているので特に問題はない。
- チタン合金製ゴルフクラブに、日本ゴルフ用品協会が自主規格を設け、1996年5月1日から材質表示を行っている。チタン含有率の低い粗悪品の出回りに対処したものである。チタン製クラブヘッドの表示可能なものは、金属材料のなかでチタンが一番のものに限られている。チタンが一番でないものでは主原料を表示する。一部チタンを使っている場合は「チタンフェイス」などの如く部分表示をする、
- 輸入品、特に有名ブランド品では、デザインなどの変更は余りしないが、国産品はライフサイクルが短く、常にモデルチェンジをして日本メーカーは消費を掘り起こす傾向が強い。
- 最近は高齢男性や女性のゴルファーが増加してそれらのプレイヤーに合ったクラブの提供が必要となっている。飛距離アップや軽さを追及したものなどが出回っている。
- 流通経路はゴルフ専門店と他のスポーツ用品を扱うスポーツ、レジャー専門店に分かれる。専門店は品揃え、専門知識の豊富な販売要員を揃え、店舗イメージなどで差別化を図っている。メーカーや輸入商社から直接し入れるゴルフ店が増えているが専門店では以前卸業者を通して仕入れている。買い取り契約が多く、委託販売は少ない。将来の需要を見越して、外商販売や試打会を伴う販売形式をとるメーカー、小売店が増加している。
- アフターサービス体制はこの商品、特にクラブの場合必至である。シャフトが折れるケースも割合あるし、クラブの性能アップのためシャフトやグリップを取替えたいという依頼も多いからである。修理は店頭でできない場合が多く、輸入元や製造業者で行われるのが普通である、ゴルフボールやティは消耗品扱いされている。
- 今後の見通しとしてはゴルフクラブは高級品は国内生産・普及品は海外生産とすみ分けができているが海外有名メーカーが販売を目指しているのでゆるやかに輸入は増加してくるものと考えられる。ゴルフボールの低価格品は海外で生産せざるを得ないので、これからも若干ではあるが輸入増になると予想される。特にクラブ、ボールとも中国からの輸入が増えそうである。
数字出所:日本貿易月報と国内出荷統計(日本ゴルフ用品協会)
単位:百万円
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